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【漫画キングダム】知略型vs本能型、最近の研究では本能型有利

キングダムを読んだことがある人なら誰もが一度は考えたことがあるだろうこの知略vs本能テーマ。実は認知心理学の分野で研究されていて、ビジネスなどに応用されている。

 

漫画キングダムとは

まずは公式ページからストーリーの入りを拝借しよう。

時は紀元前、春秋戦国時代。いまだ一度も統一されたことのない中国大陸は500年もの動乱期。戦国七雄の一つ「秦国」の身寄りのない少年・信と漂は、今は 奴隷のような身なれど、いつか武功をあげて天下一の将軍になることを夢見て修行に励む。そんな二人が偶然、秦国の大臣に出会ったことから運命の歯車が動き 出す! 

読んだら止まらなくなる人が多いこの漫画。

アメトークのキングダム芸人でも、ケンコバが夜中にたまたま1巻を読み、その後タクシーで24時間空いてる本屋で全巻買ったと話している。

実際に番組中に実験的に読み始めた若林がはまるくだりもある。

かくいう私も、1巻だけ購入し読み始めたら見事にはまってしまい、結局最新号まで全て購入してしまった。 

 

 

 

将軍永遠のテーマ ”知略” 対 ”本能”

2013年の手塚治虫文化勲章を受賞、今年は情熱大陸でも取り上げられ、最近一番あつい漫画の一つであるキングダム。

その魅力の一つは何と言っても登場する将軍一人一人が魅力的なこと。

その中でもひと際すごいのが王騎将軍。

王騎将軍は下僕の身から天下統一をする秦国の将軍となっていく主人公・信に何かと教えを諭してくれる伝説の将軍だ。

その王騎将軍が初めて戦に出た主人公・信に話しかけるあるテーマがある。

武将には二つの型があると思います

一つは”知略型”

もう一つは野生の直感で戦う様な”本能型”

”知略”対”本能”これは武将の中の永遠の題目ですよォ

知略型

「戦を理詰めの盤面ととらえる」このタイプの将軍は、あらかじめ地形や兵力を計算して戦中は陣形変化を中心に戦う。

本能型

一方で本能型の将軍は戦を「燃え盛る一つの大炎」と捉える。一見無謀と思われるような犠牲の払い方をするが、それによって火のつけどころを見つけると一気に攻め込み勝利を獲る。

 

キングダムを読んだことがある人なら誰もが一度は考えたことがあるだろうこのテーマ。実は認知心理学の分野で研究されていて、ビジネスなどに応用されている。

実際の研究

その最新の研究が分かりやすくまとめられているのがHarvard Business Review世界標準の経営理論のこちらの巻。

意思決定の未来は、「直感」にある 世界標準の経営理論

 

二重過程理論 

いろいろな理論が紹介されているのだが、主にこの"知略"対"本能"のテーマに示唆を与えてくれるのがマサチューセッツ大学アマースト校の教授らで研究してきた二重過程理論だ。

二重過程理論によると、

人間の脳の中では二種類の意思決定の過程が同時に異なるスピードで起きる。

システム1は直感であり、早く自動的で無意識のうちに行われる意思決定である。(キングダムの本能型にあたるだろう)

システム2はじっくりと時間をかけて、段階的に時間をかけながら論理思考によって行われる意思決定である。(キングダムの知略型にあたるだろう)

 

これまでは、意思決定の理想は時間をかけて情報収集した上で合理的に行うのが望ましいとされてきた。システム1の直感は多くの情報を精査せずに意思決定するためにバイアスつまり偏見がかかってしまうため避けるべきとされてきた。

ところが、ゲルト・ギゲレンザー教授が2009年に発表した論文では、

直感は、意思決定のスピードを早めるだけでなく、状況によって論理思考よりも正確な将来予測を可能にする

と主張している様だ。

なぜか?

ポイントは「予測と分析」の違いにある。もし人が「分析」だけを行いたいなら、情報をなるべく多く集めて、時間をかけて論理的に行った方が良い。しかし、意思決定に必要な「将来の予測」では、大量に情報を精査しすぎると、逆に情報それぞれが持つばらつきに予測モデルが左右されすぎてしまう傾向がある。逆に、多少バイアスがあっても、特定の少ない情報にだけ頼る方が、結局は正確な将来予測・意思決定ができる。

ということらしい。

確かにストーリ前半の麃公将軍(本能型)対呉慶(知略型)の戦いでは本能型の麃公将軍が勝つ。

世界標準の経営理論では直感の方が有利に働く状況の条件なども書かれているので、興味がある方は是非。  

ちなみに現代の本能型を研究しているゲルト・ギゲレンザー教授はこちらのお方。

Gerd Gigerenzer - Wikipedia